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概要
デロンギ リヴェリア ラテクレマクール アップグレードセット EXAM44055BGは、自宅で「ちゃんとしたエスプレッソ」を飲みたくて、自分で購入して使い込んでいるマシンです。最初は正直、ここまで質感や香りが変わるとは思っていませんでしたが、数週間触っていると、朝と夜で求める一杯を少しずつ変えたくなってきて、コーヒーとの付き合い方そのものが変化してきました。
このモデルはボタン操作中心で、いわゆる「プロっぽい手順」を強要してこないところが気楽です。それでいて、抽出が始まった瞬間の香り立ちや、カップの中でのクレマの厚みを見ると、インスタントや簡易ドリップとはまったく別物だと実感します。細かい設定はありますが、最初はほぼ標準設定のままでも十分楽しめて、慣れてきたら少しずつ自分好みに寄せていくようなイメージです。
個人的に気に入っているのは、暑い季節でも、ラテクレマクールで冷たいミルクメニューをさらっと作れるところです。キッチンに長時間立ちたくない日でも、手順はほぼ同じで、仕上がりだけが季節にフィットしてくれる感じ。仕事終わりに一息つくときや、集中して作業したい夜に、軽いデザート代わりとして一杯作るのがちょうどいい使い方になっています。
もちろん、いわゆる業務用マシンのような完全な自由度があるわけではなく、「家庭用としてどこまでやりたいか」のバランスで好みが分かれそうな部分もあります。それでも、自分で豆を選び、抽出音を聞きながら待ち、カップを手に取るまでの一連の流れが、かなり本格寄りの体験に近づくのは確かです。お店の再現というより、「家でここまでできれば十分だよね」というラインをしっかり超えてくるマシン、という印象で使い続けています。
特徴
このモデルを選んだ理由は、朝の時間帯に自分で豆を挽いて抽出する工程そのものは好きなのに、ミルク系のドリンクだけはどうしても安定しないという悩みがずっとあったからだ。スチームの温度が日によって微妙にズレたり、泡立ちが粗くなったり、そもそも忙しい時に手動で調整する余裕がなかったりして、せっかくのコーヒー時間が落ち着かないまま終わることが多かった。そこで、ラテクレマクールの自動ミルク機構なら、この小さなストレスを丸ごと解消してくれるのではないかと期待して購入した。
箱を開けた瞬間の印象は、思っていたよりも質感がしっかりしていて、樹脂部分の手触りも安っぽさがないことにまず安心した。内部のトレイやタンク類を取り外して洗う工程も、拍子抜けするほどスムーズで、複雑な構造を想像していた自分には少し意外だった。電源を入れて初期設定を進める間、動作音は控えめで、深夜にセットアップしても気にならない程度。こういう細かい部分が、実際に使い始めるとじわじわ効いてくる。
触ってみて最初に気づいた仕様の良さは、操作パネルの反応が素直で、押した時のフィードバックがはっきりしていること。曖昧なタッチ式ではなく、軽いクリック感があるおかげで、朝のぼんやりした頭でも迷わず操作できる。ミルクコンテナの着脱も、力を入れずにカチッと収まる感じがあって、毎回のセットが苦にならない。逆に癖として感じたのは、豆の種類を変えた時に味の調整が少しシビアになる点で、挽き目と抽出量の微調整を何度か繰り返す必要があった。ただ、これはマシンの問題というより、自分の好みを探る作業に近いので、慣れてくるとむしろ楽しくなってくる。
スペック面で特に体感として効いているのは、抽出温度とミルク温度の安定性だ。数字としての温度設定がどうこうというより、毎回同じ質感のラテが出てくる安心感が大きい。以前は、ミルクが熱すぎて風味が飛んだり、逆にぬるくて物足りなかったりと、仕上がりのムラが気になっていた。ラテクレマクールの冷却構造のおかげで、ミルクの温度が過剰に上がらず、ふわっと軽い泡が自然に作られる。これは実際に飲んでみるとすぐに分かる違いで、口当たりが柔らかく、後味が重くならない。
抽出ユニットの動きも滑らかで、豆の香りがしっかり立ち上がる。内部の洗浄サイクルが自動で走るため、使い終わった後のメンテナンスがほとんど手間にならないのもありがたい。以前は、抽出後の掃除が面倒で、気分的にコーヒーを淹れる回数が減ることもあったが、このマシンに変えてからは、飲みたいと思った瞬間に迷わずスイッチを押せるようになった。
全体として、スペック表に書かれた数字以上に、日々の体験が滑らかになる感覚が強い。特別なシーンを演出するような派手さはないが、日常の中で「ここがちょっと気になる」という細かい部分を丁寧に潰してくれる。ミルクの質、操作の確実さ、動作音の控えめさ、そしてメンテナンスの気楽さ。どれも一度使うと戻れなくなるタイプの快適さで、購入前に抱えていた小さな不満が、気づけばほとんど消えていた。
使用感レビュー
購入してからちょうど18日ほど経った頃、ようやく毎日の動きが自分の中で馴染んできて、このエスプレッソマシンが生活の一部として自然に溶け込んでいるのを実感した。最初の数日は操作パネルの反応の良さに驚きつつ、同時にミルク周りの扱いに少し戸惑う場面もあった。良い点として真っ先に感じたのは、抽出の安定感と香りの立ち上がりの速さで、スイッチを入れてからの流れがとてもスムーズ。一方で、悪い点というほどではないが、初回のミルク設定だけは自分の好みに合わせるまで少し時間がかかった。
日常の中で特に助かっているのは、夕方の作業がひと段落したタイミング。集中しすぎて頭がぼんやりしてくる頃に、短い休憩を挟むための一杯をすぐに用意できるのがありがたい。朝や昼ではなく、あえて夕方という微妙な時間帯にしっくりくるのは、静音性が高くて周囲の空気を乱さないからだと思う。抽出時の音は控えめで、湯気の立ち上がりとともに部屋の空気がふっと柔らかくなるような感覚がある。
使う前は「自動でここまでできるなら、味はそこそこなんだろう」と勝手に思い込んでいたが、実際に使ってみるとその印象は大きく変わった。抽出の濃さや温度の微妙な違いが、思った以上に自分の好みに寄せられる。設定を変えるたびに味の表情が変わるのが面白く、気づけば毎日少しずつ調整して遊んでいる。期待していた以上に細かい部分まで触れるので、ただの家電というより、半分は趣味の道具のような感覚になってきた。
操作性については、慣れると本当に楽。ボタンの押し心地が軽すぎず重すぎず、指先で触れたときの質感が心地よい。パネルの表示も見やすく、光の反射で読みにくいと感じたことは一度もない。質感は全体的にしっかりしていて、樹脂部分も安っぽさがなく、触れたときの温度感が落ち着いている。ステンレス部分は指紋がつきにくく、軽く拭くだけで元の輝きが戻るので扱いやすい。
静音性は特に気に入っているポイントで、夜に使っても周囲を気にしなくていいレベル。抽出中の振動も少なく、カップがカタカタ揺れるようなこともない。安定性が高いので、置き場所を選ばず、狭い棚の上でも安心して使えている。取り回しに関しては、給水タンクの出し入れがスムーズで、力を入れなくても自然に引き出せるのがありがたい。ミルクコンテナも手に持ったときの重さがちょうどよく、洗うときに滑りにくい形状なのが地味に助かっている。
特に印象に残っているのは、休日の夜に読書をしていたときのこと。ページをめくる手が止まった瞬間に、ふと温かいラテが飲みたくなり、席を立ってすぐに準備を始めた。操作は数回のタッチだけで済み、ミルクの泡立ちも安定していて、カップに注がれる様子を眺めているだけで気持ちが落ち着く。読書の流れを壊さずに、自然なリズムで一杯が手元に届くのは、このマシンならではの体験だと思う。
使い始めてからの18日間で、期待していた部分と実際の使用感のギャップは良い意味で大きかった。もっと機械的で冷たい印象を想像していたが、実際には生活の中に温度を持って入り込んでくるような存在感がある。毎回の抽出が一定で、味のブレがほとんどないので、安心してスイッチを押せる。忙しい日でも、気持ちを切り替えるための小さな儀式として機能してくれている。
全体として、操作のしやすさ、質感の高さ、静音性、安定性、そして取り回しの良さがバランスよくまとまっていて、使うたびに「買ってよかった」と素直に思える。特別なシーンではなく、日常の中のちょっとした瞬間を豊かにしてくれる道具として、これからも長く使い続けたいと感じている。
まとめ
デロンギ リヴェリア ラテクレマクール アップグレードセット EXAM44055BGをしばらく使ってみて、毎朝の「作業としてのコーヒー」が、静かにスイッチを切り替える儀式に変わった感覚があります。仕事用デスクの脇に置いて、夜にひと息つきたい時や、週末に読書をしながらちびちび飲むエスプレッソを、ほぼ一定のクオリティで淡々と出してくれる。その安定感が一番大きい魅力でした。一方で、メニューや設定の層がやや深くて、最初の数日は「あれ、どこから戻るんだっけ」と迷う場面もあり、UI周りはもう一歩こなれてほしいところです。ラテクレマクールの冷たい泡は、夏場の在宅ワーク終盤や、風呂上がりにアイスラテを一杯だけさっと作りたい時にかなり重宝しました。コンビニに買いに出るより早いし、味も自分の好みに寄せやすいので、外出の回数が少ない人ほど恩恵を感じると思います。来客の多い家よりも、日常は基本ひとり〜二人暮らしだけど、たまに「ちゃんとした一杯」を楽しみたい人向けという印象で、家事や育児の合間にキッチンカウンターで5分だけ自分時間を作るような使い方がしっくりきました。惜しいと感じたのは、メンテ系の案内がやや機械的で、具体的に「今なにをどこまでやればいいのか」が一瞬読解を要する点と、設置スペースにある程度の余裕を求められる点です。ただ、定期的な洗浄やお手入れをこなしていくうちに、マシンのクセや必要な動作が体に染み込んでいくので、半年ぐらい使うと「手が勝手に動く」状態になり、ストレスはだいぶ薄まりました。長く使ってみて良かったと思うのは、コンディションが少し悪い日でも、豆の挽きムラやマシンの機嫌に左右されず、安定した抽出が得られることです。気持ちに余裕がない時に限って、道具側の不安定さがじわっとストレスになるものですが、その小さな苛立ちの種を減らしてくれる存在になってくれました。毎日劇的な感動があるタイプではなく、気づいたら「ない生活には戻りたくないな」と思わせる道具で、そういう意味で長期的な満足度は高い機種だと感じています。
引用
https://www.delonghi.co.jp
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